最新5軸切削加工機「FANUCロボドリルα-D14LiA5」

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横浜工場インタビュー2017

5感が導く5軸のテクノロジー

2015年秋、当社の横浜工場に最新5軸切削加工機「FANUCロボドリルα-D14LiA5」が導入され、前回のインタビューでは導入の経緯などをご紹介させていただきました。

今回は、導入から1年以上が経過し、当社の製品開発で実際、どのような部品や製品に活かされているのかをインタビューと動画を交えてご紹介したいと思います。

2017年2月2日
語り手:写真右手2名 開発技術部:笹山 直之 係長(右) 製造部:染谷 愛一郎 技師長(中央)
聞き手:(株)東京技研企画室 植松(左)

3軸から5軸へ―。当社製品開発について

FANUCロボドリルα-D14LiA5

――2015年秋、横浜工場に「FANUCロボドリルα-D14LiA5」(以下FANUC)が導入されました。改めてこの機械はどんな機械なのか教えていただけますか?

笹山)要約すると、以前までの機械(MDX-540)は横(X)と前後(Y)と上下(Z)の動きで3軸の樹脂専用の切削機でした。

笹山)それが今回の機械はアングルプレート(傾斜台)の上にサーキュラーテーブル(回転台)が取り付けられており、(X)(Y)(Z)に加え、(B)と(C)の2方向の回転がプラスされ5軸になりました。樹脂はもちろんのこと金属も切削可能です。

染谷)刃物もいちいち取り替えるのではなく、最大で14種類を作る製品に合わせて予めセットした状態で一気に削り出しができるというものです。

FANUCロボドリルα-D14LiA5

――実際に導入をされてから1年が経過しましたが、実際に当社のどんな製品やパーツに利用したのでしょうか?

笹山)現在、身近なところでは開発中の新型分離器の試作部品をこの「FANUC」で作っています。今、機械の中にセットしてあるのは試作段階の部品で「インペラ」と呼ばれる物でポンプの中の水を排水させる役割を果たす物です。

インペラ

――FANUCを使って製品自体の本番パーツを作ることはないのでしょうか?

笹山)どちらかというと今のところは試作部品の製作がメインです。最終的な製品を作ることももちろん可能ですが、量産というよりは一品物のパーツをイメージしていただくと分かりやすいかと思います。このインペラの形をを削り出すまでに16時間はかかりますので。

染谷)小さなプロペラですが、細かいR(カーブ)などの形状もありますからね。時間がかかります。

Y字継ぎ手
Y字継ぎ手

染谷)例えばこの管状の「Y字継ぎ手」なんかもここまで穴を開けることができます。もとのPP(ポリプロピレン)の素材の形状からこれができます。

社内での動作試験・テストの繰り返しで製品が洗練される

――今までですとFANUCが無いときは外注に依頼していたものですよね

笹山)そうです。今まででしたら、例えばこのインペラなんかも試作品を作る時は外注へお願いしていました。

染谷)この型をおこすだけで何千万とかかってしまいますからね。それがこのFUNACの加工でここまで出来るので、かなりコストが抑えられます。試作品を図面に起こし直して金型を作ればかなりの量産も可能ですからね。最終的な物が仕上がるまでの間は、羽根の形状や向き・角度などを何回も試作品を作って実験しています。

笹山)今回は何回か試作品を作りましたけど、最終的にはこのような形になりました。

インペラ

――随分と初期に比べて形が変わりましたね!

染谷)効率的な強制排水の機能を突き詰めていき形状も開発中にどんどん変化していきますので、初期の図面はどんどん変更になるのは珍しくありません。

染谷)実際にこのインペラは機械の中の水が5mまで上がるかどうかのテストも行いました。結果、こっち(右)の形状のほうがよく上がると判断し、最終的な製品になりました。

染谷)先ほどの「Y字継ぎ手」も含め、すべての部品で、耐熱や耐圧、柔らかさ・硬さ、紫外線に強いか、…等々を考慮し、削る樹脂の種類も選んでいます。

――これらの形状は、切削機ではなく3Dプリンタでも可能なのでしょうか?

笹山)3Dプリンタであれば形状だけの再現は可能です。しかし実験に使うとなるとプリンタで作るアクリル系UV硬化型樹脂の試作品では耐久性が弱いんですね。ですのでY字継ぎ手なんかに関しては、最初は3Dプリンタで形状を確認してから、FANUCで最終的に削り出しを行いました。

従来の加工経験が最先端ロボットに活きる!

――図面さえセットすれば、あとはFANUCが削る工程など全部計算して考えてくれて自動で削ってくれるということでしょうか?

笹山)そういう工程は人が自分で計算して予めセットしないといけません。

染谷)エンドミル(刃物)の径によって回転数って違いますので、そこは人間がFANUCに指示してやらなければいけません。だから昔ながらのフライス盤や旋盤での加工を経験していないと、実はこのFANUCも使えないんですね。

作業

笹山)いきなり製品加工をFANUCをから始めようとすると、今までの汎用機を経験していない人は、ちんぷんかんぷんで出来ないでしょうね。

――そうだったのですか!てっきり図面やデータがあれば、そういう事も勝手に計算して「ここにはこの刃物をセットしろ」等の指示も含めて、自動でやってくれるのかなと思っていましたが、違うんですね。

染谷)刃物の回転速度、送り量、送り速度なんかも計算してやらないとダメですね。削り方にも「アップカット」「ダウンカット」というのがあって、刃物が回っている方向によって物をどっちに送るかでキレイな仕上りも変わってきます。その辺はフライス盤や旋盤の加工を経験した人でないと出来ないんですね。

――最先端の機種である一方、人のノウハウや経験もないと上手く使いこなせない機械ですね

笹山)私自身もこのFANUCの操作を憶えるまでにかなりの時間を費やしました。

文字を浮き出させる加工

染谷)Y字継ぎ手をよく見ていただくと分かるんですが、Gのマーク、径の数値、流れの矢印のマークなども浮き出して描かれており、これらの文字やマークは径1mmの細い刃物で繊細に削り出します。製品に文字を浮き出させる加工は特に時間がかかります。

笹山)今後は金属製の試作品の加工も行う予定でいます。後々は樹脂の製品の成型用金型をこのFANUCで開発していきます。

――今までは金型の専門業者にお願いしていた分、それが社内で実現できれば大きいですね。どれくらいの大きさの金型までできるのでしょうか?さまざまなパーツの開発を網羅できそうですね。次のFANUCの活躍展開はそこになるのでしょうか?

笹山)そうですね。200mm角くらいの金型まではいけると思います。

――このFANUCを使って大変だった・苦労された事で印象深いものはありますか?

笹山)台座が回転する分、最初はエンドミル(刃物)との干渉が最初は怖かったですね。

――ユーザーの方にアピールしたい点はありますか?

染谷)まずこういった機械がある事自体がすごいことですよね。YouTube等の動画サイトを見ても5軸加工機の紹介ムービーがたくさん出ていますよね。すごいなと思います。

インペラ

染谷)先ほどのインペラも大分形がくっきりしてきました。ここまでで40分くらいの作業。まだまだ荒削りで羽根も直角のまま。これからRを付けていく作業へ入りますが、ここからが5軸加工機の真骨頂が発揮されます。

――例えば、先ほどのY字継ぎ手の形状に削るとなると、従来の旋盤・フライス盤では無理なのでしょうか?

染谷)無理ですね。ここはやはりFANUCの出番になりますね。中の形状を図面で見ていただくと分かるのですが、分岐するこの形はどうしても5軸加工でないと無理なんですね。

Y字継ぎ手の設計
Y字継ぎ手の中

昔ながらの汎用機や人間の手仕上げも必要不可欠

――エンドミル(刃物)の刃先が変更になり、先ほどの荒削り作業と違い、Rを付ける作業は削っているようには見えないですね。繊細にRを削っているようにも見え時間もかかりそうですね。

笹山)FANUCの図面から削り出した製品の数値の誤差は数ミクロンと精度は高いのですが、素材のたわみもありますので、やはり製品にセットするには人間の手仕上げも最終的には必要となりますね。

インペラ

笹山)あと、5軸ではどうしても固定する部分が必要で、最終的に切り落とさないといけないんですが、その作業は従来の汎用機である旋盤やフライス盤などを使って後処理をしないといけません。そういった一連や後の事も考えてFANUCで加工してあげないと、後々自分が苦労する羽目になります。

汎用機

――今の話をお聞きしても、やはりFUNACだけでは製品開発は無理ですね。改めて昔からの汎用機の良さ等、気づいた点はありますか?

笹山)他のこういった5軸マシンを導入されている他社さんとも情報交換をさせていただく機会があるのですが、お話を聞いても、やっぱり最終的な後処理というのは今までの汎用機を使っているとのことでした。やはり改めて実感した点は「身体で憶えた経験と技術力は大切だな」という事でしょうか。

染谷)FANUCを使いこなすには「まず昔ながらの汎用機を憶えないと」ということですね。一人前になるのに5年はかかりますね。

――FANUCが製作の全てをまかなってくれるものだとばかり思っていましたが、やはりそうではなく、古い機械も必要で、経験と技術とがないとキチンと加工できないということですね。

染谷)もちろん複雑な形状の加工はFANUCが得意としていますが、単純な穴あけや段付け等の作業は従来の汎用機のほうが早く得意ですからね。

笹山)複雑な形状の加工を見ていて楽しいのはFANUC。やってて楽しいのは、やっぱり従来の汎用機ですね(笑)

汎用機

――費用面もそうですが、期間も短縮されるのではないですか?試作品をさまざまな製品で試せるということは開発のスピードも上がったのでしょうか?

笹山)そうですね。新しい製品をいち早く作ることにもつながります。社内で試作品が完結する分、今まで昔ながらの開発の方法にもずっと携わってきたので開発スピードの向上は実感しています。今まで外注さん頼りだったものが、社内で図面さえできれば、あとは自分たちでまかなえますからね。

染谷)この人(FANUC)は夜でも何でも24時間営業で働いてくれますから(笑)。機械屋としては刃物に削りカス(切子)が付いてしまうと製品も汚くなってしまう心配をしてしまいます。昔の汎用機はそれを小まめに掃除しながら削っていましたが、FANUCは自動のエア機能も付いており、ドリルに付いた削りカスもキレイに飛ばしてくれますからね。

――切削粉も雪のようにマシン内に舞っていますね。掃除やメンテナンスも大変そうですが…。

染谷)機械屋さんは掃除と段取り。削っている時間はそんなに長くないんです。それは従来の汎用機も最先端もマシンも変わりません。

笹山)FANUCを導入して1年が経過し、今まで大きなトラブルや故障もなく、順調に動いてくれています。その分、掃除やメンテナンスは従来の汎用機と同じくして丁寧にやっていくつもりです。これから金属の切削も増えてくると思うので、よりキレイに大切に使い続けていきたいと思います。プレッシャーはありますが、これからも横浜工場の試作品や部品の製作スピードや精度が当社製品開発に役立っていければ嬉しく思います。

――お話をありがとうございました。取材を通じて…

FANUC

今回、FANUCが導入されてから1年、どんな製品が作られているのかをクローズアップする目的でインタビューさせていただきましたが、やはり今回も技術者の経験や従来の汎用機の良さを改めて知る機会となってしまいました。

このように、弊社では最先端の機械とヒューマンパワーの総合力で製品開発を行っていることは言うまでもありません。製作にかける無駄な時間は効率よく合理的に省き、世の中の技術の潮流をくみ取り、出来ないところは人間力や経験力で補う、そんな泥臭さならぬ機械の油臭さとデジタル・ロボ技術が融合した製品開発スタイルで邁進してまいります。これからの弊社の製品開発にご期待ください。最後までお読みいただきありがとうございました。

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