横浜工場インタビュー

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横浜工場インタビュー その1

2015年秋、当社、横浜工場に高速・高精度の最新5軸切削加工機「FANUCロボドリルα-D14LiA5」が導入されました。これを機に、さらなる製品の精度・製作スピード・サービス向上を目指してまいります。

今回、最新の機種は導入されましたが、従来からある小型の旋盤機やフライス盤機も、まだまだ現役です。そこで、当社に創業当時からある機械の紹介と、それを操作する社員の話を織り交ぜながら、横浜工場の創業以来変わらない機械(モノ)と技術(ヒト)にクローズアップしてみたいと思います。

2015年10月14日
語り手:写真左から、
    開発技術部:笹山 直之 係長  医療システム部:川路 仁 部長  製造部:染谷 愛一郎 技師長
聞き手:(株)東京技研企画室 渡辺
写 真:八木デザイン・(株)東京技研

昭和初期からある現役フライス盤

――今回、最新のFANUCロボドリルが導入されましたが、これを機に改めて目を引き、際立つのが、創業当時からある年季の入った古い機械ですね。

染谷)一番古い機械は、昭和18年5月製造のRTMという戦時中に作られた3軸のフライス盤です。新潟県にある理研工業株式会社・宮内工場製で、当時ドイツのデッケルという万能工具フライス盤を模倣して作られた物です。


3軸フライス盤RTM(理化学研究所製)

こちらの機械は今でも現役で「キサゲ仕上げ」といって、手仕上げでガタが起きにくく、2/100の高精度の切削を行える機械です。当時としては、独自にモーターをしょって駆動する機械はなく珍しかったそうです。

――このフライス盤ではどのような製品を作りましたか?

スリット円板
▲スリット円板

染谷)当時の代表的な製品でいうと、こちらは自動車の燃費計に使われる「スリット円板」という部品です。この部品に溝を入れる作業も、このRTMで行っていました。

昔はほとんどが外注に出さずに社内加工でまかなっていたので、こんな感じで一品物(イッピンモノ)をよく作っていました。精度が求められる部品はほとんどが社内で作られていました。

――よく昔の部品が残っていましたね

染谷)当時は何枚も作ったのですが、作品として「こういう物も作ったんだよ」という証として保存しておいてあります。私の遺品として(笑)

一同)染谷技師長、まだまだ早いですよ(笑)

染谷)当時各自動車会社で行われる燃費計測は、通産省当時からの指定で当社の燃費計が使われていました。他にもG(重力)を計るブレーキテスター等の部品を作っていました。

――歯科関係の製品で製作したものはありますか?

川路)金型の「K202(細線再現性測定用金型)」も染谷さんがこのRTM-3フライス盤で製作したものですよね。こちらは、いわば製品のマザーで世界に一つしかない金型。文献には載っているんだけど、物がない。それで開発元の弊社に海外からも欲しいと問い合わせがあります。


K202のマザーと当時溝を付けたオリジナルドリル

染谷)コピー元のマザーなので高精度に作られています。表面加工はカーリングの石等を磨くのでも脚光を浴びましたが、世界的に有名な土井精密ラップという会社で精密にラッピング加工してもらいました。

20、50、75ミクロンの線が入っており、歯科の印象材の開発時に精度をはかるための金型として使われる物です。人間の歯が実際に噛んで、感じ取る事のできる厚さが20ミクロンだそうで、それでこの3数値になりました。20ミクロンという数値の溝は当時は中々出来なかったんで苦労しました。20ミクロンの溝を付ける刃も、結局は市販の刃ではダメだったので、刃自体も自身で作りました


▲K202

川路)大学の歯学部の実習機関や印象材を開発するメーカーなどが、この金型を購入されます。ミクロン単位の溝に印象材が入るので、それにより印象材の良しあしを判断できるというものです。

面白いエピソードがありまして、今度は、試験後に入りこんだ印象材を溝から取るのにどうするか。器材を洗う超音波洗浄機などでも、取れないらしいんです。

そこで研究室の先生方は、人間の指でこすって印象材を取っていたそうです。人間の肌の微細なでこぼこでないと取れないくらいの溝なんですね。この清掃の仕方を海外の先生にも説明したそうですがビックリされていたそうです。

――もう一つのフライス盤も年季が入っていますね

染谷)こちらは万能工具フライス盤「RTM-3」という機械で昭和57年製です。もう少し大きな物が作れます、また、新しい機種な分、精度もより高くなっています。


万能工具フライス盤RTM-3(理研製鋼製)

――昭和の機械が今でも現役で動いているのはすごいですね

染谷)これらのフライス盤は、機械自体も当時から素晴らしく使いやすいのですが、動かす技術も大事ですね。削る時も、いわゆる「送り速度」という数値があります。この送りが製品の精度・仕上りを左右するのですが、我々は、もうこの速度を体で憶えてしまっています。フライス盤で最初に勉強・修行するのは、この送りの技術でした。


ハンドルでの送り速度の技術も大切

熟練から受け継がれる技術

――こちらの旋盤についても教えてください

笹山)これら旋盤は、円柱状の材料を固定して回し、削ったり穴あけをしたりする、一般的に最もよく使われる工作機械です。


当社では主に丸い筒状の物や四角い筒状の物をよく削ります。こちらも削る際のハンドル回転は体で憶えます。まだまだ染谷技師長ほど完璧ではないですが…。入社16年ですが、体に染み込ませるにはまだまだ時間がかかります。

▲精密卓上旋盤KL-16(北村製作所製)

▲4尺旋盤マザックメイト(山崎鉄工所製)


小型精密旋盤WHN-2型(長谷川機械製)

――若手で社内でこれらの機械を扱えるのは笹山さんだけですか?

笹山)そう…ですね、簡単な物を削るだけなら、数名いますが…。フライス盤は染谷技師長から、旋盤は数年前に退職された旋盤担当の内田さんから教わりました。

染谷)小さい物だと1mmからの部品の加工も可能です。フライス盤と違い、旋盤にはブレーキがありますので、スイッチはもっぱら膝で動かします。両手がふさがっている分、膝の動きも大切です。


膝の動きも大切です、と染谷技師長

――現在削っている部品は、特注品で、急な製作依頼の物ですか?

笹山)そうですね、午前中までに仕上げて、午後には川路さんに現場へ直接持って行っていただいて、納品しなければいけません。

川路)早く、そして正確に仕上げてください(笑)

笹山)汗…。こういった物を即対応できるのがうちの強みでもあり、お客様にも喜ばれております。図面もおおよその寸法から作りますので、そういう意味でも昔ながらの機械は、即対応できて、まだまだ重宝しており、バリバリの現役でもあります。

最新の機械、昔の機械…それぞれの利点

笹山)今回のように、特急で一品物(イッピンモノ)の部品を作ってくれ、となると、最新の機械ではスピードの点で不向きかもしれません。最新の機械ですと、図面をCADで起こしてそれを読みこんでから稼働させるためです。

今回のような筒状1本物なら、長さや径の寸法など、手書きの図面さえあれば、旋盤、フライス盤だけで事が足りて、しかも早いですからね。

――切削したカスゴミも大量にでますね。見てて面白い物ですが…。

染谷)片づけは大変で面倒ではありますが、必ずやらなければいけない作業です。これの手入れをやらないと機械がダメになっちゃいますからね。


切削時に出るゴミ

特に旋盤機担当の先任者である内田のおやじが口うるさく言っていたのですが、掃除は徹底してやっていました。それもあってか、これらの機械は今も大きな問題もなく現役で動けているのかもしれません。

――機械の精度はもちろんそうですが、やはり人間の経験や技術は大事ですね。

染谷)いやぁ、私が入社したころは、昔の社員はみんな当たり前に出来たんですけどね。当時は自動車部品と口腔外サクション(バキューム)、仕事量としては自動車5:歯科5くらいの割合でした。燃費計もロット10台という単位で受注生産していましたから。歯科ユニットフィルターも昔は鋳物だったので、それも作っていましたし、AVE(電磁弁)の本体はアルミ製だったので、社内でアルマイト加工していました。

昔の電磁弁などは、図面よりも先に品物が完成していました。先にある程度の構想図と外観寸法を作っておいて、先にプロトタイプを製作し、正式な図面は後から…。その分、製品開発のスピードは早かったですね。

――図面が想定内にいかないこともあったりしますか?

まぁ、正式な図面があっても図面通りにいかないこともあるんです。「ここが当たっちゃう、邪魔だからココ削れ」と急遽、そういう事態が発生してしまう。特に自動機の部品なんかには多いんですが、そうなるとこれらのフライス盤、旋盤で即時に対応するわけです。

役目を終える機械たち

――当社の代表的な歯科で使われる製品について教えてください

染谷)印象材試験機、膨張剤試験機、ブリッジ用の金型、MODの金型などに携わりました。特にFCの金型は一番作りましたね。これは歯科大学の学生が実験で使う、いわば精度を見るための物です。これら以外にも特注で、上顎そっくりの金型を作ることもありました。


当時の図面を見ながら振り返る

――量産の製品もありますが、それこそ図面の無い特注品も、綿密に打ち合わせしながら作り上げてくわけですね。

染谷)研究室の先生からの細かい要望にもお応えできるようにしていますね。全盛期は、歯科製品や自動機のパーツをこれらのフライス盤や旋盤がフル稼働で活躍しました。

他にもICチップに会社名や品番を捺印する自動機にも携わりました。バブル期のICチップ全盛時代で、各大手電機メーカー全てのICチップの捺印を担っていました。短納期でお客様の要求も高く、図面は分厚く、パーツも1000点以上。大変で忙しい毎日でしたが、やりがいがありました。

川路)今回、新しく機械が導入され、活躍し役目を終えるフライス盤、旋盤の機械もあります。個人的に好きだったのは江黒鉄工所製の旋盤機「GL-120」。ハンドルが軽くて操作性が良かったんですが、これでサヨナラになります。これらの道具たちには「永い間お疲れ様」という気持ちですね。

▲堅フライス盤IV-1/2(井上工機製)

▲精密高速旋盤GL-120型(江黒鉄工所製)

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